2009年7月10日金曜日

建築家の自邸に住んでわかったこと その6/地下室の住み心地


▲夏に涼みながら本を読むには最高の空間

私の寝室は地下にあります。
正確には半分地下に埋まった“半地下”です。
これならばきちんと窓が取れますので、
明るさや風通しの問題はありません。

地下室は地温が年中安定しているので夏涼しく冬暖かいと言われています。
実感としては夏は全くそのとおりで、ほぼクーラーはかけなくても過ごせます。
冬については言われるような暖かさはなく寒く感じます。

地下室でデメリットに挙げられるのは湿気です。
感覚的に湿気る感じはありませんが除湿機は
一日でタンクが満タンになるので相当湿気ているようです。
湿気は地下室を導入するときは最も気をつけなければならないことでしょう。

地下室は収納には湿気の問題もあるので住んでから細心の注意が必要です。
静かという点では寝室や書斎、勉強室に適しています。
特に夏に涼みながら本を読むには最高の空間です。

建築家の自邸に住んでわかったこと その5/床暖房温水式 VS PTCヒーター式


▲銀色の板が床暖房のパネルです

我が家の床暖房はミサト株式会社のPTCヒーター(電気ヒーター)を使っています。
事務所の床暖房がガスの温水式でしたのでその比較のために採用してみました。

電気ヒーター式は温水式と違って電源さえあれば場所を選ばず、
半永久的に使えることがメリット。その中でもPTCヒーターは
電気式の中でも効率がよく、電磁波の発生も少ないといわれています。

“では実際の使い心地はどうなのか”を住みながら検証してみました。
効きは温水式に比べると弱い印象です。立ち上がりの速度、暖かさも
温水式に比べると劣るようです。逆に言えばじわっと効いてくる感じで、
温水式に比べて暖かさがやさしい印象はあります。ただ、これに関しては
床が厚板のフローリングだからかもしれません。

ランニングコストは思ったよりかかっていません。
オール電化やガスの割引プランと組み合わせられるタイプの場合と
比べると高いかもしれません。

建築家の自邸に住んでわかったこと その4/無垢のフローリングはどうでしょう


▲部屋ごとにフローリングの種類を変えています

我が家では床にはさまざまな種類のフローリングを使っています。
フローリングはすべて無垢材で
スギ、アカマツ、カバ、タモを部屋ごとに使い分けています。


無垢フローリングはほかに比べ、
"狂い"や"反り"が起こりやすいと言われていますが、
わが家ではまったくといっていいほど、
そのような不具合は起こっていません


唯一床暖房を入れている箇所のみ
1、2ミリ隙間があいています。これは
熱によってフローリングが乾燥して縮んだためですが、
日常生活にも支障がなく、わたしにとっては許容範囲内。
そのやさしい足触りを毎日楽しんでいます。

建築家の自邸に住んでわかったこと その3/外壁に金属と木はどうでしょう


▲外壁はガルバリウム鋼板とカラマツを張り分ける

私の家では外壁にガルバリウム鋼板という金属板と
力ラマツの無垢板を張り分けて使っています。
「金属は錆びる」「木は腐る」というイメージがあるため
住宅の外壁としては敬遠される方もいらっしゃると思いますが
築後3年経過した私の家では思いのほかきれいな状態を保っています。

「金属=錆びる」というイメージをもたれるかもしれませんが、
ガルバリウム鋼板は安価ながら非常に錆にくい金属です。
3年経過した今でもその輝きは健在です。


また、「木=腐る」というイメージをもたれるかもしれませんが、
カラマツは油分が強いため、木材の中では腐りにくい材です。
ただし雨が強く大量にあたると油分が抜けてしまいますし、
太陽の光でも劣化しますので上にひさしを設けて雨と日差しを
避けるようにしています。加えて一年に一回塗装を自前で塗ることで
よい状態を保っています。

建築家の自邸に住んでわかったこと その2/吹抜が多い家は寒くて暑い?


自邸では一部の部屋については階段との間を仕切っていません。
限られた敷地の中でインテリアに開放感を与えるためですが、
その反面、温熱環境的には不利な空間となります。

では、不利といってもどれくらいのものなのか?
それは耐えられないほどの不利なのか?
開放感の代償としてはいかほどのものなのか?
ということを3年間体験してみましたが、
わが家族はおおむね快適に過ごしています。

まず、夏については開放的な分、
風がよく抜けるので酷暑の時期以外は
エアコン自体つけなくてよい状態です。

冬についてはさすがに開けっ放しの状態ではくつろぐには
辛い日が多いです。これは予想されたことでしたので最初から
リビングダイニングと階段の間にカーテンを設けています。
布一枚ですがそれだけで十分部屋の暖かさはキープできています。

空調嫌いの方にはちょうどいい塩梅なのではないかと思います。
冬には暑いくらい、夏には寒いくらいエアコンをかけないと
気がすまないという方にはおすすめできません。

またこのような空間でも快適に過ごせるのは
「外断熱」やペアガラスサッシ、床暖房を採用するなど
工夫をしているおかげでもある、ということを付け加えておきます。

建築家の自邸に住んでわかったこと その1/ “外断熱ってそんなにいいのか?”
























自邸の断熱は外断熱にしています。
“外断熱ってそんなにいいのか?”
ということで身を持って体験してみました。

吹抜もあって温熱環境的には不利な空間のつくりのわりに
室温は安定しているので、外断熱にした効果は出ているようです。

断熱材で建物全体をくるんでしまうことで
切れ目なく断熱できる効果のほかに
気密性も自然とあがるという点でも
室温の安定に効果があるのではと推察しています。